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パティオ建設に込めた思い②

花が咲き、鳥は歌い、空は青く澄み、爽やかな風が吹き、すべてのものが春の息吹に活き活きとなる季節です。
新入生、新入社員は希望と期待、少しの不安を胸に、新しい生活が始まります。
そして「御代替わり」4月30日に天皇陛下が退位され、5月1日に皇太子さまが新天皇に即位され、「平成」から新しい元号「令和」に変わります。

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今回は、2020年7月に開館20周年を迎える「パティオ池鯉鮒」がどのような構想のもとに建築されたのかについて、改めて過去を遡り探ってみました。
 
当時、市民の皆様からの「舞台芸術鑑賞や発表とともに、練習場所も兼ね備えた施設がほしい」「客席数300を超える大規模な催事の鑑賞(有料公演も含)や発表ができる施設がほしい」「地元伝統芸能である山車文楽・からくりの発展、継承のための拠点施設がほしい」という要望を受け、「第4次総合計画」で謳われた「活気あるみどりゆたかな交流のまち」のシンボルとしての「交流の場」にふさわしい「ゆったりと緑につつまれた森」をイメージし建設計画がまとめられたものです。

設計は1996(平成8)年に33社によるプロポーザルで選定され、翌年の実施設計に引き続き1998(平成10)年6月に建設工事に着工、2000(平成12)年3月に竣工しました。当時の建設工事費は用地費を含め総額約78億円 でしたが、その後「茶室」が新たに設置されました。設計にあたっては、自然環境を取り込み、四季の移ろいを感じることができる人と自然にやさしい環境を意識したもので、デザインは、西洋の小さな町をイメージし、施設全体を交流、創造、発表、運営の4つの機能に分け、それらをバリアーレスの回廊でつなぎ、中庭から中庭への移動空間を楽しむことができるもので、広がりのある空間を作り出しています。外観は、遠方から容易に認識できるシンプルで象徴的な形となっており、地域のシンボルとなる施設です。ガラス面で構成された共用部は、中庭を通してひとの活動が視覚化できる構造で、市民参加を促す場、地域の文化活動の拠点となっています。

敷地内に一歩足を踏み込めば、列植されたメタセコイアは清潔感があり、田園風景と一体となった外周植栽帯は、四季の移ろいを感じさせ、解放感に包まれています。エントランスホールに入ると、自然光が差し込む明るくゆったりとした空間が人を包み込みます。また、夜ともなれば「緑のパティオ」では孟宗竹、「光のパティオ」ではケヤキ、「駐車場」ではメタセコイアがライトアップされ、特に、「緑のパティオ」をエントランスホールから眺めると幻想的で素敵な景色が広がります。これは是非ご覧いただきたい景観です。

文化芸術を自由に創造し、享受することは、人々の生活に楽しみや潤い、精神的な豊かさや活力をもたらすと共に、人々をつなげ、連携させる力があります。私どもは、この施設を最大限活用し、建設当時の目指すべき役割を違えることなく、コミュニティづくりや多文化共生を促進し、歴史・文化・伝統など、地域に根ざした文化活動の輪を広げ、保存と伝承による新旧の芸術文化が息づくまちの実現と、芸術・文化活動を支える人材の発掘・養成と、活動のための体制を充実させ、事業を展開していくことに努めていかなければなりません。

ちょうどこの令和元年に、知立市では3月に改正された知立市文化芸術基本条例の趣旨に基づき、「文化芸術基本計画」を策定する事になっています。この計画では、文化芸術の効能や劇場・音楽堂ならびに市民・文化団体等が、文化芸術のみにとどまらず、社会課題やまちづくりなど知立市の発展に寄与するための具体的な施策が謳われることになろうと考えております。古くから続く当地の歴史・文化、そして先人たちの想いを辿りながら、未来を担う子どもたちが、将来に希望を持ち、自分たちが住む知立市に誇りが持てる、そのような未来像を描きながら、私どもも計画づくりにむけて提言して参りたいと思います。
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