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社会的包摂② ~取り組みを振り返って~

暦の上では「仲秋」。夜には虫の声が聞こえ始めていますが、日中の暑さはまだまだ厳しく収まる気配もありません。「二百十日」が過ぎ台風も多い時期ですが、それだけではなく最近は異常気象による災害にいつ見舞われるか分かりません。油断禁物です。
さて、社会的包摂(共生社会実現に向けて)の取組みにつきましては、7月に取り上げさせていただきましたが、その取り組みを振り返り、課題などについて検証してみました。

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©中川幸作

6月16日に公演を行った「愛知県芸術劇場・SPAC(静岡県舞台芸術センター)共同企画『寿歌』全国ツアー パティオ演劇公演2018『寿歌』(ほぎうた)(作:北村想 演出:宮城聰)」にて、視覚にご不自由のある方に対し行いました「触ることが出来る舞台美術模型を使った舞台説明」につきまして、参加者の皆さまから頂いた感想や要望等のご意見をまとめますと次のとおりです。
総じて、「普通」との感想でした。これをどう評価するかという事は、非常に悩みますが、大きな不自由なく鑑賞できたという意味合いにおいては、及第点であると前向きに評価したいところです。

ご意見では、「稀な機会でありよかった」、「模型に触れることで舞台の様子が分かった」、「役者の衣装(生地のサンプル)に触れることができよかった」という一方で、「劇中のせりふだけでは状況が分かりにくく、副音声が必要」、「役者の動きが分からない」という指摘を頂いたうえで、「点字のパンフレット」や、「音声ガイド」などによる場面説明の充実を求められました。
このようなご意見をふまえての、私ども主催者側の反省点しましては、舞台美術の持つ作品上での重要な意味を知らせることができる「触れる舞台模型」を作ったことの意義はありましたものの、参加者の満足度が高くなかったのは、作品や舞台演出と舞台模型を触るというサポートの相性が良くなかったためではないかと判断しています。具体的には、劇の特性から演技中無音になる場面が多く、役者の動きが推測不能となり状況把握ができなかったのではないか。また、介助者が個々の障がいを理解した上で、作品の内容を理解し、劇中の状況を分かりやすく伝えられるかが問われたと感じています。

20180616_寿歌
※写真は触る舞台模型

持つ障がいにより求められるサポートは異なりますが、私どもは、今後もこのような取り組みを継続することが必要であり、その中で少しずつ伝えられる範囲を広げていきたいと考えています。
また、各種あります補助機器については、有効性、経済性など他館の実績も参考にし導入を検討していきたいと思います。
取り組みは始まったばかりであり、試行錯誤していますが、全ての障がいに対する支援は一気にできるはずもありませんので、まずは、当事者が何を優先に望まれているのかという情報も把握し、出来ることから一つずつ取り組みたいと考えています。
文化芸術は、子どもから高齢者の多世代、障がい者、在留外国人などの社会参加を促すことができる活動です。障がいの有無によって分け隔てのない、誰もが楽しむことができ、訪れてみたくなる環境を整え、社会参加の機会を広げてまいります。
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