「野外彫刻とパティオ池鯉鮒」 

  • 2012/11/30(金) 17:36:53

戦後の日本は、経済成長にもてる力をつぎ込み、芸術文化は成長に役立つものとして尊重してこなかった。
しかし、近年では経済成長から、環境問題全般に関心が高まるにつれ、国民は「こころの豊かさ」に関心を持つようになってきました。
内閣府の調査による国民に「心の豊かさと物の豊かさ」のどちらを求めるかという質問に対して、「心の豊かさ」を求める人が明らかに多くなっている。

最近、全国の多くの都市で、アートによる都市空間の創出を新しい都市像のあり方として、施策の重点としている傾向が見られます。
市民が生活の中にアートを感じ、潤いと安らぎ、夢を感じていただくために、パブリックアート(彫刻、オブジェ、モニュメント)としてのまちなか彫刻の設置が必要となってきているからでしょう。
私は以前、静岡県立美術館のロダン館に行ったことがある。会館内の展示ではあったが、数多くのロダンの彫刻に圧倒され、今でも鮮明に脳裏に焼き付いています。

先日、私は新地公園の散策道の野外彫刻の清掃に参加しました。作家の想いや、材質の選定、技術的なこともお聞きしながら、彫刻に直接触れながら貴重な時間を過ごさせていただきました。紅葉のシーズンも相まって彫刻との実にすばらしくマッチングした風景であり、とても癒されました。

イギリスを代表する彫刻家のヘンリー・ムーアは「彫刻は野外の芸術である。彫刻には日(太陽)の光が必要で、私にとって彫刻の最高の背景は自然だ・・」と言い、ロダン(フランス)は「彫刻は、その雰囲気に合った環境が見つかれば引き立ち、彫刻と環境の双方にとって得だ・・」と言っています。

「芸術の持つ力」の一番は、人の心を豊かにし、街を元気にすることです。
まちづくりも経済性・機能性ばかりではなく、芸術や文化性の視点から考える必要性を感じます。ややもすると無機質な潤いのない空間となってしまう、道路や地域環境と深くかかわる公園といった施設の中に、こころの潤いを得られるようなものが必要です。  
野外彫刻は、季節、時刻、天候により、状況がさまざまに変化します。その日、その時だけしか見られない彫刻を堪能できます。

知立市では、2000年の知立市文化会館「パティオ池鯉鮒」の開館以来、愛知教育大学彫刻研究室(宇納一公特別教授)による「ものづくり、まちづくり」のスローガンのもと、産・官・学が協働して、知立市を潤いのある街にしていこうと、野外彫刻プロムナード展が展開されています。
パティオ池鯉鮒のエントランスロード及び会館敷地内に、多くの野外彫刻が設置され、会館を訪れる皆さんに愛され、楽しんでいただいています。今年もエントランスロードに新しい彫刻が設置され、また会館には野村和弘氏(彫刻家)の「いい天気だね!」と藤田雅也氏(名古屋経済大学准教授)の「石彫展~大地~」が展示されています。

皆さんも、パティオ池鯉鮒にお越しいただいて、野外の芸術を楽しんでいただきたいと思います。

第13回野外彫刻プロムナード展

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【すたっふNOTE】パティオ池鯉鮒で一期一絵

  • 2012/11/20(火) 17:33:19

秋も深まり、朝夕はめっきり冷え込んできました。秋は行楽、食欲・・・、そして芸術の季節です。
10月25日から11月4日に開催しました「和田英作と愛知の近代洋画展-それぞれの写実表現」は芸術の秋にぴったりの展覧会となり延べ1,196人に鑑賞していただきました。22作品と小規模の展示でしたが、その分、作品を身近に感じて鑑賞していただけたのではないかと思います。

作品と鑑賞者との出会いは、偶然のものではなく必然のもので、出会い、鑑賞し、対話することで自らを見つめ、明日への活力にしてもらえる機会となります。
ただ、そこまで発展するには作品と作家に関して適切な知識や情報、資料が欠かせません。本展示は中山真一氏(※1)、小林義和氏(※2)によるギャラリートークと近藤理事長の解説もあり、より理解が深まったとたいへん好評でした。

職員のSさんは自分の幼少の時とそっくりの作品をみつけて、作者や作品の時代背景やモデルにより深く興味を持ったようです。(確かに今のSさんにも面影がある作品でした)
また、和田英作が知立に疎開していた時に交流のあった方など縁深い方も多く来場され、「神社の杜」の風景から、当時の想い出話に会話が弾んでいました。

これからも、地域に密着し、親しみのある展覧展開催を狙いに、地元に所縁のある作家の作品展示を企画していく予定です。
それにより、ご来館のみなさんに「一期一絵(会)」をお届けし、作者の想いと、新たな活力を受取っていただけることができたたらと願っています。

目力のある作品にパワーをもらった職員F

※1【郷土美術愛好家】
※2【知立ふるさと美術館発起人・知立市立八ツ田小学校教諭】
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「今こそ出発点」

  • 2012/11/09(金) 17:28:09

11月を迎え、急に冷え込んできました。同時に紅葉の素晴らしい季節となりました。(パティオ池鯉鮒の周辺の樹木も紅葉になってきています。)
以前はこういった季節は、毎週のように山に行っていました。最近は、ひざの状態が不安で、山歩きを小休止しています。
山登りは確かにきつい、しかし、登りきったときの爽快感は、何とも言えません。辛い山道で、へこたれそうになることは毎度のことであります。あそこまであそこまでと気合を入れつつ頂上を目指します。

人は、日常生活の中で、「こんな苦しいことは・・・、失敗したら・・・、自分は運がない・・・」など、消極的な考え方になることがあります。それは、往々にして自分の心の中で甘えや逃避が芽生え、自身を負の形でコントロールしていきます。その方が楽であったりするからだと思います。
しかし、それでは明日はないし、喜びを感じることも、幸せを享受する道も開かないと私は思っています。
山登りはそれを教えてくれているように感じます。・・・

京都大仙院の尾関宗園住職は、こう話されています。
≪今こそ出発点≫
人生とは毎日が訓練である
わたくし自身の訓練の場である
失敗もできる訓練の場である
生きていることを喜ぶ訓練の場である

今この幸せを喜ぶこともなく
いつどこで幸せになれるか
この喜びをもとに全力で進めよう

わたくし自身の将来は
この瞬間ここにある
今ここで頑張らずにいつ頑張る     

人生は一回限り、あとで努力するのでは遅い
今を大切にしなければ、私自身の将来はない


人は、うまくいかない人生に「生まれ変われたら、やり直せたら」と考えます。それは今の「自分」では、うまく乗り切れないと考えるからでしょう。残念ながら、変わる、やり直すということはできないし、叶いもしません。そんなことを考えていると「人生の迷い」に入ってしまいます。
どんなときでも、自分の「こころとからだ」で、「今」を生きることが大切だと思います。

パティオで、多くの芸術や文化活動をしてみえる方、公演をされる方を拝見していると、まさしく『今こそ、出発点』を実践してみえる方々だと思います。
新緑も良し、開花する花も良し、紅葉も良し、葉を落として春を待つ立木も良し、樹木も、いろいろ工夫して生きていますね。
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