郷土の優れた伝統芸術を若人に

  • 2011/11/16(水) 14:45:08


私は何度か、“南アルプスと歌舞伎の里・大鹿村”を訪れています。
今年の夏は、坂本順治監督と俳優原田芳雄のタッグによる「大鹿村騒動記」が全国ロードショーされ、原田芳雄の遺作となったことも重なって映画は大好評でありました。映画は、300年以上前から伝わる「大鹿大歌舞伎」上演を絡めた複雑な男と女の愛のせつない物語でした。

「大鹿大歌舞伎」は、春・秋年2回公演され、村人が役者として演じ、おひねりも飛び交う大鹿村の一大イベントです。どこからこんなに人が集まってきたのかとびっくりするほどの賑わいであり、素晴らしい興行です。
大鹿村の人々はこうした伝統芸能を、大切に長い間に亘って伝え守ってきたのです。

ここ知立も「東海道五十三次 三十九番 池鯉鮒宿」をはじめ、古くから交通の要衝地として栄えた成り立ちから、地域に根ざした「山車からくり」「山車文楽」という素晴らしい伝統芸能が存在します。
また、「昔、男ありけり。その男、身をえうなきものに思なして・・・」で始まる『伊勢物語』に、知立の花“かきつばた”の5文字を入れたせつない折句歌が詠われており、それを題材にした「在原業平とかきつばた姫の悲哀の民話」が語りつがれています。

次代を担う中学生(市内3中学の3年生)の皆さんを招待してお届けする、11月30日公演の「愛・かきつばた姫」は、この民話を、糸あやつり人形と文楽人形を交えて表現した異色のオペレッタです。
糸あやつり人形を操るのは400年近い歴史を有する「結城座」、対して文楽人形は260年を超える伝統を誇る「知立山車文楽保存会」という伝統芸能と、音楽・ダンスをコラボレーションした見ごたえのあるものです。

知立市教育委員会と学校教育関係者のご理解のもと、卒業される中学3年生の皆さんに、郷土の文化会館と、そこで企画・制作された作品を観ていただくことも含め、芸術文化の素晴らしさを胸に刻み知立をいつまでも愛していただく機会となることを期待しております。

日本の伝統芸能は、日本人が古来から培ってきた生活と感性の産物が積み重なったものです。21世紀を担う青少年が、世界に向かって羽ばたいて行くためにも、自国の文化、郷土の文化を知ることは重要なことであると思います。海外に行けば、その青年が日本の顔となるわけです。日本のこと、文化のことを知って、それを世界の人々とのコミュニケーションとして活用する、活用できる、そんな青少年育成のためにも、日本(郷土)の伝統芸能、優れた芸術の鑑賞に触れていただきたいと思います。

一般の方もバルコニー席(有料)でご覧いただけますので、是非ご来場ください

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「世界音楽物語」によせて

  • 2011/11/01(火) 14:34:54

私たちは、毎日たくさんの人々の愛にはぐくまれて生活しています。この世に生を受けてから、多くの人とさまざまな形でめぐり会い、人は、それぞれ人との関わりあいの中で生活しています。そうだとしたら、出会いは偶然であり、また必然でもあるでしょう。いつしか、私たちはそれをあたり前のように生活の中に溶け込んでしまいます。
しかし、そんな人との出会いにも、いつとはなしに別れが訪れます。

人は生まれて、両親と会い家族に会う、そして地域の人に会い、保育園・学校に行って友達に出会い、社会に出ていろいろな人と関わっていく。だから出会った人を大切(愛)に思うことは、人生を有意義なものとし豊かなものにしてくれる重要なことだと思います。

パティオ池鯉鮒では、子どもさん向けに良質な世界の名作を、音楽の生演奏に乗せて朗読を楽しむ自主事業【世界音楽物語】をシリーズとして10回公演してきました。
また、当館は「優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業」として文化庁から5年継続の採択をいただき、2年目となる今年度は、2012年2月4・5日に、知立に伝わる民話「かきつばた姫」を人形劇に仕立てた「まちおこし新作音楽人形劇 愛・かきつばた姫」をお届けする予定です。
今回の「世界音楽物語」は、そのプレ公演として行うものです。

本公演のテーマは「愛するものとの別れ」、すなわち、私たちが生きているのは自分ひとりの力ではなく、周りの人たちが愛し支えていてくれること。だから私たちは周りの人たちを大切にする心が大切であること。
このコンセプトで、だいすきだった犬との別れの、世界の童話「ずっーとずっと、だいすきだよ」と、自分のことを恋い慕ってくれる歌人・在原業平を追って池鯉鮒まで来たが、旅立ったあとで会うこともできず、なげき悲しむ別れのはなし、知立の民話「かきつばた姫」の2本を、新作として音楽の生演奏と迫力ある朗読で上演させていただきます。

もちろん子どもたちが楽しんでくれるように、はなしの合間にも動物の着ぐるみなどが登場、視覚的にも楽しんでいただけるものとなっています。

作曲・脚本・演出は、朗読と音楽を融合させた新しい分野の創作に積極的な田頭優子氏、朗読はNHK教育テレビで歌のおねえさんとしてレギュラー出演されていた小野壽子(おの ひさこ)氏、知立市出身のピアニスト小島好弘(こじま よしひろ)氏と、多くの素晴らしいキャスティングでお届けします。

子どもたちと一緒におとなの皆さんも、「世界音楽物語」をぜひご鑑賞いただきたいと思います。どうぞご期待ください!
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