進歩と調和

  • 2011/10/16(日) 13:16:30

野田新内閣での国会が始まりました。

震災・原発被害への支援と復興に向け、党派を超えて、今後の日本のための大型予算審議と原子力発電への方針が審議されると思いきや、第三次補正予算は提案されず、またまた政治資金問題が主役に、相変わらずの党利党略の政争局面です。

避難生活を送る被災地には、じりじりと冬の寒さが忍び寄っています。被災支援・復興と原発問題は、今国民が最も重要とし、関心の高いところではないでしょうか。それとはうらはらに、政局争いに終始する国会議員、世界での経済地位のランクダウン、外交も諸外国に押されっぱなしのこの状況には、国民としてうんざりするばかりです。
『私たちは、国民の理解を得られる、今なすべき審議の展開を期待している!』と声を大にして言いたい・・・!


昭和45年の大阪万博のテーマに、『進歩と調和』というフレーズが掲げられました。その解釈は、“人類社会は進歩していくことも必要だが、そこには人類が認め合う調和がなくてはならない”ということでありました。

今日まで、日本列島は地震・台風・津波・火山噴火など、幾多の自然災害にあっていますが、日本民族は、その都度それらを受けとめ、耐え、復興を成し遂げてきました。
しかし、今回の東日本大震災の津波による原発事故は少々性質が異なります。人間が作り出したものに、自身でさえ制御・防御が困難となり、今後どうなっていくのか、6か月余りが過ぎようとしているのに、見通しは定かではありません。
チェルノブイリやスリーマイル島での原発事故で、その人知を超えた事故の怖さを自覚しえたはずであった「核」「原発」に対し、根拠のみえない「安全神話」を鵜呑みにしてきた結果がこの有様です。今回の震災による津波は「想定外」と報じられていますが、一方ではシミュレーションによって海岸線での危険性は研究されていたともいいます。


日本の社会は、島国であるがゆえに、「争うこと」をできるだけ排除する固有の文化が培われています。往々にして会議なるものも、「根まわし」によって調整され、表舞台では深い議論は展開されない場合が多いように感じられます。確かな根拠も示されない「原発安全神話」は、バブル経済期の「株・債権神話、土地神話、会員権神話など」と同様、意図的につくられた世論ではなかったのかと思えてなりません。
原発問題は、三位一体(産学・国・自治体)の原子力関係者による推進で、「民」は、その中で右往左往せざるを得ないという、仕組まれた社会構造です。・・・そして、苦労するのも、尻拭いするのも「民」なのです。今回の原発事故後にも、(意図的かどうかは別として)「民」には公表されなかった多くの事実が存在しました。

ノーベル化学賞受賞者・理化学研究所理事長の野依先生は、「原子力は人知を超えた存在として、過渡的なエネルギーである。将来的には人類は再生可能エネルギーへ回帰する必要がある。」と述べておられます。また、ドイツもイタリアもスイスも原子力発電を凍結することに決めました。
政治の役割は、これらの意見・情勢の動向を踏まえ、電力供給の道筋を政策提示し、「人類が認め合う調和」を議論することではないでしょうか。大阪万博で掲げられた、『進歩と調和』の崇高な理念を思い出してほしい・・・。

東日本の被災地域の公共施設・病院などが、壊滅的な打撃を受けており、文化会館などの施設・劇場も例外ではありません。そのような状況においても、全国各地の演劇等の舞台で、原発事故に対して多くの問題提起がなされ、それぞれの想いが多くの国民に届けられています。

芸術・文化の真価と真底にあるのは、夢を語れることです。また、目には見えない本質、隠れた人間的な事実を顕在化する力です。それらは人々に、元気と勇気、感動と癒しで、生きぬく力を与えていくことでもあります。こういった地域のためにも、この問題についても芸術・文化の面から、しっかりとその役割を果たしていくことが必要だと思っております。

自然の探求が科学。人、社会の探求は芸術・文化と言われます。その両輪のたゆまぬ研鑽・努力で、私たちは人にやさしい、より良い社会をめざしたいものです。

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大切なことは「愛」

  • 2011/10/01(土) 13:08:57

数年前に父親が亡くなり、畑の管理は草が生えてくるとトラクターで耕すばかりでした。「以前は畑仕事もよく手伝ったなー」と思いつつトラクターに乗っていたのですが、なんとなく野菜づくりでもしてみようかなと思い立ちました。

以来4年になりますが、野菜づくりに興味が沸々と湧き、毎日、毎シーズンが試行錯誤の連続となってしまいました。何せ晩酌しながらの勉強ですから、なかなか身に付きません。
野菜はものを言わないし、足も生えていないので、こちらのほどこしが結果として現れます。すなわち育てる側の私にかかっています。

医は食からと言われますが、「食は農から、農は土が健康である」ことが大切です。作物が健康に育つ土壌とは、豊かな有機物と多くの昆虫や微生物が生き生きと住んでいる土と言われます。
そして、野菜を育てるには「土、太陽、水、空気(風)」という自然との関わりが、大きく影響していることは言うまでもありません。

私の経験から学んだことは、

・  太陽と緑は互いに強烈に引き合い、瞬時に光合成という恋をして子供を産む。
   そのために畝はできるだけ南北に切って陽当たりが均等となるようにする。
   日がよく当たると陽性(+)の根は反発して下に伸びる。
・  畑土の耕しは、根の深さ、ガス障害・高温障害を考え、夏の野菜は浅めにして日光消毒、秋冬の野菜は深めにする。
・  畝間は風通しをよくすることで、枝や葉がそよ風にゆられて樹液の流れを活発にし、
   丈夫で香りの良い野菜や果物ができる。
・  植物は夜露で水分調節をしているので、夜露がよく当たるようにする。
・  根は酸素を吸っているので、水はけをよくする。水はけが悪いと根は窒息してしまう。
・  幼苗期と生育の前半は水や肥料を控え目にし、根を鍛え張らせる。
   特に買って来た苗は、4~5日日光に当てて鍛え、その土地の気候に慣れさせる。
・  根が育てば木は育つ! 人間も幼少期、過保護なら将来の大成は望み薄ではないか。
・  日中気温が25度℃以上では水やりは夕方、18度℃以下では朝がよい。
   人間の布団と同じで、気持ちの良い床がいい。
・  元肥の有機肥料は、夏は日照り干し、冬は寒ざらしをしてから耕すと障害を防げる。

・・・・等々、書き出したら尽きません。
   
そして、野菜を育てるには、三要素「窒素、リン酸、カリ」が欠かせません。その加重バランスが決め手、概して「葉ものには窒素、実ものにはリン酸、根ものにはカリ」の比重を多くします。それも常に野菜の成長具合を見ながら施していく。最近は、できるだけおいしい野菜にしたいと、海や山に行ったときはアミノ酸を多く含んでいる川水、海水をポリタンクで持ってきてかけたりもします。

野菜づくりは、やればやるほど技術的に奥の深さを感じます。
しかし、最も大切なことは、人を育てることと同じで「足を運び、顏を見、語りかける」という野菜に対する「愛」です。

芸術・文化を育むのも農業と一緒で、種をまき、育て、(舞台で)花を咲かせ、また次の種を生み出します。この過程を継続する“もと”となるのは皆さんの「熱意と愛」だと思います。「地域にねざす したしみと にぎわいの会館」として、さらに「地域に必要とされ、愛される会館」をめざして頑張ります。



さて一方パティオでは、平成24年2月4日・5日に当館で、知立に伝わる「かきつばた姫と在原業平との愛」をテーマとした物語「まちおこし新作音楽人形劇 愛・かきつばた姫」の公演を予定しています。

またその前(11月3日)には、プレ公演として「世界音楽物語」を行います。内容は大好きだった犬との別れ、世界の童話「ずっとずっと大好きだよ」と、自分のことを恋い慕ってくれる歌人・在原業平とかきつばた姫の、なげき悲しみの別れのはなし、知立の民話「かきつばた姫」の2本を、新作として音楽の生演奏と迫力ある朗読で上演いたします。

「熱意と愛」によって生まれた公演、いずれもご期待いただきたいと思います!