「知立山車文楽・からくり保存会公演」によせて

  • 2011/08/24(水) 12:45:44

皆さんは「からくり」という言葉を聞いて何を思い浮かべますか?
仕組みモノの動く人形に魅入った後、「どういったからくりだろう?」と思いますよネ!

何かに操られて動くもの、常識を超えた動きをするもの、これら不思議なものはすべて「からくり」といわれます。興味深い響きのあるこの言葉は、江戸時代に誕生したようです。宋の時代に広まった「傀儡(かいらい)」、この意味は「あやつり」ですが、これが訛って「からくり」となったということです。そして、その中の「機関傀儡」(機械仕掛けで動くもの)、これが伝統芸能として今に伝えられている「からくり」と呼ばれるものなのだそうです。

「からくり」は日本各地の祭りで奉納されていますが、なぜ祭りに「からくり」が使われたのでしょうか?
昔、祭りは目には見えない世界を見るための一つの儀式でした。その儀式に、人形は神を宿す神体として使われるようになりました。まるで魂が宿ったかのように動く人形を見て、私たち人間も又、神に操られた存在であることを受け止め、見えない神々の存在を認識するようになるのでした。

では知立になぜ、こうした「からくり」や「文楽」が根付いていったかといえば、由緒ある「知立神社」の存在です。やはりこれらが神事として扱われていたからでしょう。
知立祭りでは、ここに山車が絡んでまいりますが、これも華やかな江戸時代、東海道五十三次の「三十九番池鯉鮒宿」として大変繁盛した町ですから、当地の豪商の皆さんが神社へ山車を奉納されたのではないでしょうか。そして、この二つがあいまって知立独特の、「山車の上でのからくり人形芝居」、「山車文楽」という民俗文化が成り立っていったのでしょう。
芸術も文化も、歴史の流れの中で、その時代に求められる形で変化していくものです。その中にあって、いつの時代においても生き続けられる芸術文化こそが、伝統芸能として継承され、認知されていくのでしょうね。

さて、そんな知立の伝統芸能を9月11日(日)「知立山車文楽・からくり保存会公演」としてパティオ池鯉鮒がお届けします!
当会館は、この「山車文楽・山車からくり」を知立の歴史的遺産として、知立文化の発信と伝統の継承として、毎年の定期公演としておこなっています。何といっても入場無料、劇場の涼しいところで座って鑑賞できるのも魅力です!
毎年、県内はもとより県外からも多くの方々が訪れ、満員御礼の状況です。昨年のように、入場制限もあり得るのでお早目にお出かけください。



【解説】
「知立山車文楽(人形浄瑠璃芝居)、山車からくり(からくり人形芝居)」が上演される知立神社の祭礼の歴史は古く、1653年に遡る。毎年5月2日・3日に行われ、その隔年の大祭に、豪壮な5基(高さ約7m、重さ5トン)の山車が町内を練り歩き、神社に奉納される。各山車は二層式で、それぞれ特徴があり見ごたえがあります。

当地の史料『中町祭礼帳』によれば、江戸時代中期から、人形浄瑠璃、からくり人形が行われていたことが記されています。山車文楽は260年、山車からくりは280年の歴史を持つ優れものの伝統芸能です。


● 知立山車文楽

人形浄瑠璃「文楽」は、わが国の伝統的な舞台芸術で、ユネスコ無形文化遺産でもあります。そして、山車の上で文楽を上演するという珍しい形態は、知立だけのもので、国の重要無形民俗文化財に指定されています。

「知立山車文楽」は、山車の下層正面の唐破風造りの前戸屋(まえどんや)と呼ばれる所に三味線と太夫がすわり、人形浄瑠璃は、その前に舞台を引き出し、手すりをめぐらせ、三人遣いで演じられます。


● 知立山車からくり

山車の上で演じられる「からくり人形芝居」は、山車文楽と同様に下層の前戸屋の浄瑠璃に乗せ、上層に糸からくり人形を配して演じられる大変めずらしいもので、これも国の重要無形民俗文化財に指定されています。

からくりの仕掛けは、1個の人形の体内に10数本の糸をひそませ、数メートルの後方から糸を操って操作するもので、高い技術が必要です。また、扱う人の数も人形に比例して多くなり、10名ほどの操る人が必要な演目もあるということです。
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「未来を担う子どもに」

  • 2011/08/11(木) 12:24:28

今年の「パティオDE夏休み~第3回パペットフェスティバルinパティオ~」も大好評の内に幕を閉じました。

私も初めて見させていただきました。
プロ劇団・アマ劇団の人形劇、腹話術、大型紙芝居、手作りおもちゃ工作、コマとシャボン玉の大道芸など、どれも素晴らしい内容で、入場制限になる回もあり、盛り沢山で全部見られないとのおしかりを受けるほどの盛況ぶりでした。
何にしても、終日フリー券ということもあって、子どもたちのあんなに楽しそうな、イキイキとした姿を見ていると、とてもいい企画事業であったと思います。
みんないい子に育ってほしい!


『子どもが育つ魔法の言葉』の著者 ドロシー・ロー・ホルト博士は、このように詩っています。

   【 子 ど も 】  ドロシー・ロー・ホルト

   非難ばかりされた子どもは     非難することをおぼえる

   殴られて大きくなった子どもは   力にたよることをおぼえる

   笑いものにされた子どもは     ものを言わずにいることをおぼえる

   皮肉にさらされた子どもは     鈍い良心のもちぬしとなる

   しかし

   激励をうけた子どもは       自信をおぼえる

   寛容にであった子どもは      忍耐をおぼえる

   賞賛をうけた子どもは       評価することをおぼえる

   フェアプレーを経験した子どもは  公正をおぼえる

   友情を知る子どもは        親切をおぼえる

   安心を経験した子どもは      信頼をおぼえる

   可愛がられ抱きしめられた子どもは 世界中の愛情を感じ取ることをおぼえる

                 「あなた自身の社会 スウェーデンの中学教科書」
                 (アーネ・リンドクウィスト,ヤン・ウェステル著,川上邦夫訳:新評論)からの引用


現代は、ともすると自分の子どもさえよければそれでいい、とする親が増えているように感じます。さらには、わが子以外はみんな落ちこぼれてくれればいいと願ったりする、ひどい例もあるようです。
どんな親にも共通してある、親としての気持ち、どの子どもにも共通してある子どもの気持ち・・・そういう気持ちをみんなが持たずして、社会など成り立つわけがありません。
よその子の手の冷たさをわが子の手の冷たさと感じられる親。そういう親ばかりであれば、他人に迷惑をかけることを楽しむ若者、自分の親を捨てることを何とも思わない子どももいなくなるはずなのです。

「パティオDE夏休み~第3回パペットフェスティバルinパティオ~」に来てくれた子どもたちの、純粋な瞳と明るく元気な姿を見るにつけ、私たちは社会全体で、どの子も素直な心を持つように、大切に育てなければならないとつくづく感じました。

来年も、未来の芸術・文化を担う子どもたちのために「パティオ池鯉鮒」は、この「パティオDE夏休み」を続けられるよう、がんばります!!
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一人一人が社会のために!

  • 2011/08/02(火) 12:16:58

去る7月7日、当会館の職員が執筆に携わった「ホールボランティア」の本(『公共文化施設の公共性』)を読まれたことをきっかけに、2つのホールボランティア「フレンズ」(長久手文化の家)と「パティオ・ウェーブ」(パティオ池鯉鮒)の交流会が当会館で行われました。活動内容や組織のあり方をめぐり、それぞれの会館の想いはありますが、さまざまな意見が飛び交い、とても賑やかな集いでありました。やはり自分の意志で何かをされている方は、活き活きとしていますね!
 本を執筆した職員によると、ホールボランティアには2つの形態があり、例えばNPO等の市民組織の「自立型」と、行政主導で立ち上げられた「非自立型」に分けられるということです。「パティオ・ウェーブ」は「非自立型」であります。しかし携わっている内容は殆ど同じであるということです。

 さて、知立市文化会館〈パティオ池鯉鮒〉では、地域住民の方々の力をお貸しいただき、当会館を地域の皆さんで、愛し育てていただいています。無償の応援団ですが、多くの事業運営の中で、ホールボランティア「パティオ・ウェーブ」、中高生の劇場スタッフ体験ボランティア「ヤング・パティオ・ウェーブ」として活躍していただいています。
「パティオ・ウェーブ」は現在73名、世話人会を中心として5つのセクション(企画制作、広報、フロント、舞台美術、舞台技術)で構成されています。「責任者」を置かないフラットな組織であり、それぞれが自分を活かした分野で楽しく会館に関わってもらっています。
 平成22年度も、年間事業に「パティオ・ウェーブ」の各セクションから、延べ326名もの応援をいただきました。こうした地域の皆さんのお力でパティオ池鯉鮒は年々賑わってまいりました。ありがたいことです。

 かつて米国の故ケネディー大統領は、「国があなたのために何ができるかではなく、あなたが国のために何ができるか、問いかけてください。」と演説し、国民の自発的な国家社会への参加、貢献を呼びかけたといいます。
この言葉は、今の日本にとっても大切なことであると思います。今までのわが国は、戦後の荒廃した国を立ち直すべく産業振興に力を入れてきました。国力を上げるには教育が重要でした。国の財政は脆弱でありましたが、国民は我慢してでも教育に多くの財源を投資することに国民の総意として理解し耐えました。だからこそ世界に誇れる教育水準を生み、優秀な人材を輩出し、世界経済の確固たる地位を得るまでに至りました。
しかし、社会資本整備と住民福祉は、もっぱら国を中心とする行政に任せ切りでした。

 今はもう、そんな時代ではなくなりました。これからは、私たちは自分のできることで、社会に関わり、還元していくときです。
何をすることなく雑事で毎日を過ごすのも、何か社会の役に立ち喜びを感じて過ごすのも同じ1日、ならば自分の人生を「幸せと喜び」で満たされるように過ごしていこうではありませんか。

 どんなことでもいいから、あなたのできることで社会の一役を担ってみませんか! そして何よりも、「楽しむ気持ち=ハート」がボランティアの原点です。パティオ池鯉鮒ではそんなあなたを歓迎しています!!